日々大きくなる手足、変化する表情や動き−−−あっという間に過ぎ去ってしまう“子どもの成長の日々”を記憶に残しておきたい!と写真をたくさん撮ったものの、なぜかプリントしてアルバムにしてみると、似たような構図やアングルのものばかり……と残念な思いをしたことのあるママ・パパもいるのでは?

そんなモヤモヤも、ちょっとした撮影のコツをつかめば、すっきり解決!今回は、“シンプルで簡単な写真整理術”を著書で紹介されている整理収納アドバイザーのEmiさんに、家族で思い出を語り合うきっかけを生むような成長記録写真を撮るコツについて教えていただきました。
Emiさんご自身も、双子のママとして子どもの成長を見守る日々。「写真を見て『このときの表情、可愛かったね〜!』だけじゃなく、どんな遊びをしていたか、どんなお友達と仲良しだったか、どんなマイブームがあったかなど、写真が蘇らせてくれる思い出ってたくさんあるはず!子どもと楽しみながら、“何でもない日常”を残していきたいですね。きっと家族の宝物になるはずです」とご自身の経験も踏まえて、Emiさんは話してくださいました。

キレイな写真でなくてもOK。
子どもの“好き”を残すことを大切に。

Emiさんが大切にしているのは、「その時、子どもが何に興味を持っていたかを撮る」こと。好きだったおもちゃや絵本、夢中になっていた遊び、仲良しだったお友達やぬいぐるみなど、その瞬間に何が好きだったのかがわかれば、ブレていても、構図が美しくなくても、成長記録として十分だと強調されます。

双子の赤ちゃんが遊んでいる画像

「コツとしては、子どもの表情だけを写真に収めるのではなく、少し引いた目線で撮影し、子どもと周囲との関わりを写すことですね。そうすれば、周りのモノとの比較で体の大きさの変化がわかりやすくなるし、どんな場所でどんな時間を過ごしていたのか、後で思い出しやすいんです。写真としてのバリエーションも広がります」とEmiさん。子どもが大きくなると、お友達との関わりも増えてくるので、お友達と一緒の写真を残しておくのもオススメだとおっしゃいます。

とはいえ、バリエーション豊かな写真を撮影したいがために、カメラばかりに夢中になってしまうのは考えもの。「一番大切なのは、子どもと一緒にその時間を楽しむこと。例えば食事シーンを撮る場合、いろいろな角度から何枚も撮影しようとすると、料理も冷めてしまうし、子どももママやパパと食事が楽しめない。食事を一緒に楽しみながら、その時間をそっと切り取るような感覚で撮影を楽しみたいですよね。そうすることで被写体である子どもも、より自然な表情で写ってくれると思います」

では具体的にどんなシーンを撮れば、家族で思い出を楽しめる写真になるのでしょうか?オススメシーンをEmiさんにお聞きしました。

写真を見返すのが楽しくなる、
4つのオススメ撮影ポイントとは?

ポイント1:家族の変化を楽しもう。

Emiさんのイチオシは、家族での定点撮影。「わが家は毎年、年末年始に同じソファーに座って家族写真を撮影しています。子どもたちが大きくなっていく様子がよくわかるし、そのときの髪型や服装からわかる流行の移り変わりも、何年か後に見たときに盛り上がるポイント(笑)。いずれ子どもが『写りたくない』という時期も来るかもしれませんが、それも成長過程の一つ。子どもたちが大きくなっても続けたいですね」

ポイント2:豊かな表情を切り取ろう。

表情、といっても顔だけではありません。後ろ姿や手足など、体のいろいろなパーツに注目して、かわいい姿を残しましょう。「ぷにぷに、むちむちの手足は絶対残しておきたいカット!笑っている表情だけでなく、後ろ姿や、くしゃくしゃの顔で泣いている顔もオススメです」

赤ちゃんの足や後ろ姿の画像

ポイント3:モノにもフォーカスしてみよう。

おもちゃや絵本、洋服などは成長とともに使わなくなり、いつかは手放してしまうもの。そんなモノたちも写真で残しておくことで「このおもちゃ、お気に入りだったね〜」と親が思い返したり、「これ、覚えてるよ!」と子どもとのおしゃべりのきっかけになったり。普段の生活にあるのが当たり前になっているモノこそ、かけがえのない思い出になるんです。

赤ちゃんの絵本やおもちゃの画像

ポイント4:シーンや場所を残そう。

普段の生活のちょっとした一コマ、家族で出かけた場所などを撮影した写真が、そのときの記憶が鮮やかに蘇らせることもあります。例えば、子ども部屋や外出先で撮影する家族の影など。「そのときは単なる日常の風景だけど、数年経つと変わってしまう。そんな貴重なシーンを残したいですね」

部屋や家族の影が地面に落ちている画像

成長記録を追った写真は、
子どもの心を育てる糧になります。

「写真は、家族のコミュニケーションツール。撮影して終わりではなく、それを家族で見返すことで、いろいろな話ができるんです。子どものために始めた写真整理ですけれど、私自身、子どもたちの写真に何度元気をもらったことか……。日々の育児にちょっぴり疲れたときや、壁にぶつかったとき。少し前の写真を見返すことで『ああ、大きくなったな。いつの間にか、こんなこともできるようになったな。よし、明日もがんばろう』って前向きになることができたんです。わが家の双子の子どもたちも、写真を見返しながら家族で話す時間がお気に入り。写真って子どもの心の成長にもとっても大切だと思います」。

写真整理術のセミナーを開講されているEmiさんは以前、セミナーに参加された方から、アルバムに入れていた妊娠時のエコー写真を見た子どもが感動して泣いてしまったというエピソードを聞かれたのだそう。「そのときに、写真が持つ“伝える力”の素晴らしさを改めて感じたんです。ピントが合ってなくても、きれいな構図でなくても、写真なら伝わるものがある!だから“キレイな写真にしなくちゃ”なんて思わず、どんどん撮影を楽しんでほしいと思います」

整理収納アドバイザー・Emiさんに聞く
忙しい人にオススメ!夏休み写真のシンプル整理術

Emiさんプロフィール

整理収納アドバイザー。双子の息子と娘の母。
「家族のシアワセは、暮しの基本となる『家』から」をコンセプトに、2012年OURHOMEを立ち上げる。収納プランニング、雑誌連載、商品企画プロデュースなど多彩に活躍。暮らしや子育てのアイデアを発信し続けるブログ「OURHOME」も人気。
【オフィシャルサイト】ourhome305.com
【ブログ】ourhome305.exblog.jp